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2008年 07月 09日
『空中キャンプ』の2008年7月8日の記事「白水uブックスフェア応援企画 夏の読書六選」に、『生半可な学者』(柴田元幸著)という本からの引用がある(参照)。柴田氏がインドで犬に噛まれた時のエピソード。以下、孫引き。
この事態に対処する方法は三つあります、とその医者は言った。その1。僕を噛んだ犬をつかまえてくる。狂犬病の犬であれば、つかまえてつないでおけば、人を噛んだあといずれしかるべき症状が表れるから、それから血清を打っても間に合う。──これは僕の場合、もう犬は逃げてしまっているので論外。その2。とにかくさっさと血清を打つ。──日本の医者であれば、まずまちがいなくこの方法を勧めるであろう。その3。何もしない。つまり運を天に任せる。英語でいえば(我々は英語で話していた)”take a chance” ──これはすごい。生死を左右する問題ですら、運命にゲタを預けてしまおうというのだから。宇宙の摂理をめぐる悟りに達していなければ言えないセリフである。犬に噛まれた痛みも忘れて、僕はいたく感動してしまった。そしてその後も、”take a chance” というフレーズに出くわすたびに、このときの経験を思い出す。かくして、アニタ・オデイの名唱 “Taking a Chance on Love” (いちかばちか恋してみよう)を聴くたびに、いまも脳裡に、パナジの待ちの小さな医院の薄暗い診療室が思い浮かぶのである。 これ、日本でも採られる選択肢は意外に「その3」である。 というのは、日本では既に狂犬病は絶滅したということになっているため。ワクチン(血清というのが正しい?)を常備している病院がとても少ないという事情があるのだ。 うちの母が先日、家の近所の山中で野良犬がイノシシ用の罠か何かにかかって鳴いているのを何とかしようとしたところ(母曰く「うるさいのが神経に障って耐えられなかった」)、足の膝のあたりを噛まれた、とのこと。 かかりつけの個人医院で医師に相談すると「うちにはワクチンはないが○○病院(地元の総合病院)ならひょっとしたら・・・・・・」と言われ、その○○病院に問い合わせると「うちにはありません」。 「どうしたらいいでしょう?」と母が尋ねると、 「今、先生が会議中で忙しいので」 とけんもほろろ。 再びかかりつけの医師に相談に行くと、 「とりあえず抗生物質出しとくのでしばらく様子を見ましょう」 という話に。 「ワクチンを大急ぎで取り寄せてもらいなさいよ」 と勧めたものの、私が電話をもらったのは噛まれた翌日で今から取り寄せても間に合いそうにない。 狂犬病の注射は面倒で、噛まれてまず●時間(確か48時間)(後日注:どうも24時間というのがほんとらしい)以内に第一回目の注射を、それから△週間後に第2回目、□ヵ月後に第3回目・・・・・・という具合に4~5回くらい注射する必要があり、しかもおのおの決まった時期に注射しなければならない。確かそのフルコースが完了するまでに6ヶ月くらいかかるのじゃなかったか。 母に確認したところ、 1.犬は逃げてどこに行ったかわからない 2.噛まれたのは服(長ズボン)の上から 3.噛まれてからすぐ水で洗った(その上で消毒) とのことなので、結局「様子を見るしかないね」という話になった。 後日追記: ただし、母のかかりつけの医師によれば「■■病院(市外だが県内ではある大きな病院、または隣の県の大きな病院。実家のある市は隣の県との県境に近い位置にあり、両県の県庁所在地間の真ん中あたりか、むしろ隣の県の県庁所在地寄りの位置にある)ならあります」という話だったようだ。つまり、ワクチンを常備している病院は、おそらく最低でも県に一つとか、そういったレベルでなら存在しているらしいことがわかる。だから24時間以内に注射を打ってもらうのに全く手がなかったわけではなく、それを母は「遠いから」と言って行かなかった、ということを公平のために書き加えておきたいと思う。 噛まれたのが服の上から、というのが大事なのは、狂犬病の菌は歯の裏側に多く付着し繁殖しているのだが、服を着ていれば噛まれた時、歯が皮膚に達する前に衣服の生地がその菌をあらかじめ拭うかたちになり、傷口に菌が入るのを或る程度防いでくれるから。 あと、傷口の処置でまず最初に、そして一番重要なのは消毒より何より傷口をきれいな水で、そしてできればブラシなんかを使って汚れをきっちり洗い流すこと。これは犬に噛まれた時に限らない。 ちなみに母の傷の程度はごく軽いものだったが、看護師の資格を持ち、わけあってバングラデシュの医療事情に詳しい友人の話だと「(少なくともバングラデシュでは)擦り傷程度であっても要注射」とのこと。 日本以外の多くの、というかほとんどの国ではまだまだ狂犬病は対策の必要な病気である。海外旅行に行った時は気をつけるように、というのはわりに日本でも知られていることだと思う。 ただし、「狂犬病」といっても注意すべきは犬だけではなく、その他の動物(例えば猫やコウモリとか)に噛まれた場合も同様の注意が必要。 ちなみに、狂犬病の予防接種を受けている動物に噛まれた場合にも基本的には予防接種を受けていない動物の場合と同様の注意が必要となる。というのは、歯の裏に菌がいる場合があり、その場合、その動物自体が感染・発症することはなくても噛まれた方が感染・発症する、という可能性もある。(噛んだ動物を観察して云々、という手が使えないという意味では、かえって注意が必要というか、注射しておくのが無難ともいえる。) とにかく、山の中だからって犬を捨てに来るのはやめてほしい。 罠をかける時はきちんと法律に従った上でかけてほしい。 あと、日本には本当に狂犬病は全く存在しないのだろうか。少なくとも「先生が会議中で忙しいから」で門前払いできるくらいには徹底して「ない」ものなのか? そしてお母さん、今後そういう時は市役所だか保健所だか動物愛護センターだかにまず電話してその道の人に来てもらってください。相手は手負いなのだし。(それともその時はたまたまそういった窓口が開いてない日/時間帯だったのか?)
by liyehuku
| 2008-07-09 02:22
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